情報パンデミックを生き延びるための3つのポイント

renortwork

新型コロナの影響は世界規模に広がり、とどまるところがありません。
未だかつてない経験を人類はしているわけですから
この先もどうなるか予断がつかない今日ですが
感染症の広がりとともに、ここにきて怖いのが「情報」です。

先日の日経新聞にこんな記事がのっていました。

情報パンデミックの拡散力、SARSの68倍 新型コロナ

世界の情報拡散力は2003年のSARS大流行時に比べ68倍、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの登場で劇的に変化した。「人は情報に触れるだけで行動が変わってしまい、情報過多はデータエコノミーを傷つけかねない」と新型コロナウイルスは情報パンデミックという新たな非常事態をも人類にもたらし、世界に突きつけられた新たな課題だ。

引用 日本経済新聞

情報が錯綜して人々をパニックに貶めている現状がここにきて
見え隠れしています。

この状況を踏まえ、ここでは情報パンデミックに振り回されないために
押さえて頂きたい3つのポイントについて解説してまいりたいと思います。

corona

1.何を書いていないかに着目する

これはフェイクニュースのほとんどが、そのニュースの作り手の都合の良い方向へ
ニュースの読み手を誘導することを主眼として作られていることによります。

こんな記事がネット上にあったのでご紹介します。

2010年8月30日付産経新聞朝刊に「ウォークマン、iPod超えへ ソニー初の悲願 8月国内販売」という記事が載った。これは、携帯音楽プレーヤーの8月の国内販売台数において、ソニーのウォークマンが米アップル社のiPodを抜く見通しで、ソニーの音質が売りの「音楽専用プレーヤー」に特化した販売戦略が実を結んだ結果だ、というものだ。

なるほど、と納得してしまいそうだが、ここには書かれていないことがある。

・確かにウォークマンはiPodを追い抜いているが、8月の1ヶ月に限っていえば、の話である。

・iPhoneに音楽を聞ける機能を搭載したので、ユーザーがiPodからiPhoneに移った。ゆえに、iPodの売上減少はソニーとの競争の結果ではない。

・iPodは新製品の発売が予定されていて、ユーザーの買い控えが起こっていた

引用 フェイクニュースの見分け方(新潮社文庫)

一見、ソニーの戦略が功を奏したように思えるが実際は何も勝利したわけではなく
そのため、ソニーの戦略は評価の対象とは全くならないというのが本質なのです。

確かに8月の単月ではipodを抜いたのだが、背景には上記のような事情があるので
単純に戦略が功を奏したとは言えないため
9月以降を注視するべきであるというのが、本当の意味でのこのニュースの見方であるといえるでしょう。

そのため、何を書いていないかという点に着目してみるということが
とても大事になってくるのです。

iphone

2.事実を集めて事実から判断する

昨年(2019年)に出版されベストセラになった書籍に『FUCT FULLNESS』があります。
この本のサブタイトルは”10の思い込みを乗り越え、データを正しくみる習慣”とあります。
元来人間には10の思い込み本能が備わっており
その本能のために事実を歪曲した形で見る傾向にあることを、まず理解したうえで
データを基に正しく今を見ようという内容の本です。

参考までに本書で掲げている10の思い込み本能とは

  1. 分断本能・・・世界は分断されているという思い込み
  2. ネガティブ本能・・・世界はどんどん悪くなっているという思い込み
  3. 直線本能・・・世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み
  4. 恐怖本能・・・危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
  5. 過大視本能・・・目の前の数字が一番重要だという思い込み
  6. パターン化本能・・・一つの例がすべてにあてはまるという思い込み
  7. 宿命本能・・・すべてはあらかじめ決まっているという思い込み
  8. 単純化本能・・・世界は一つの切り口で理解できるという思い込み
  9. 犯人捜し本能・・・誰かを責めれば物事は解決するという思い込み
  10. 焦り本能・・・今やらないと後で大変なことになるという思い込み

引用 ハンス・ロリングス著「FACTFULLNESS]より

以上の10の思い込み本能があるとされています。

今回の新型コロナウイルス騒動に当てはめてみると
特に4.の恐怖本能と10.の焦り本能にかられてフェイクニュースが拡散してしまった様に
思われます。

人間には10の思い込み本能があることを理解したうえで
事実のデータを集め、事実に基づいてそれぞれが判断していく姿勢が大事だと思います。

factfullness

3.SNSの特性を理解して鵜呑みにしない

SNSは特に情報の拡散がみられるメディアです。
良いことであれフェイクニュースであれ、その拡散力は凄まじいものがあります。
そこで、ネットに蔓延するウソの情報も見分けなくていけなくなってきます。
そのためにはSNSの特性をよく理解したうえでの対処の仕方を身につけなくてななりません。
ネットでのウソ情報を見分けるためには

3-1.検索結果の上位表示を安易に信用しない

検索結果上位の表示だとつい信用してしまいがちですが
上位表示=正確ではないのです。
現在、新型コロナウイルス感染の情報でGoogle社は誤った治療法や感染事例などの情報が
拡散しないように拡散するのを防ぐために躍起になっていますが
記事を投稿する側も上位表示されるように、あの手この手で対抗しているのが現状です。

そのため、対策が講じられている中でもすりぬけて上位表示されるような
フェイクニュースはいまだに存在しているのは事実です。
だからこそ上位表示=正確と判断するのはよろしくないのです。

3-2.発信者情報をつかむ

発信者の情報を正しくつかむのも重要です。
発信者が政府や省庁、または新聞社などの信頼できるメディアからの情報であれば
それは信頼に足りると思われますが
個人が発信している情報は、当人のプロフィールを確認するなどして
前後の発言などを確認すると信頼できるかどうかがある程度判断されると思います。

3-3.複数の情報源を持つ

気になる情報があったら、必ず同様の情報について言及している複数のサイトをみてみましょう。
例えば新型コロナウイルスの医療機関関係の情報ならば
他のサイトでどのような記述さがなされているかを自身の目で確かめることで
情報の信頼性が判断できます。

ただしあくまで参考にするに留め、前述のように既に発生した事実と照らし合したうえで
判断するようにしましょう。
複数のサイトを確認することで、デマに振り回される確率は大きく下がります。

以前に熊本自身が起こった際に、「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマを
Twitterで流して20歳会社員が逮捕されましたことがありました。
この場合も、Twitter以外のメディアが取り上げていないことが分かれば
デマの可能性が高いということが容易に判断できたと思います。

twitter

4.まとめ

今回の新型コロナウイルスの問題で改めてクローズアップされた情報パンデミックの問題は
その拡散力がSARSの時に比べて68倍にもあがっている凄さです。
そんな状況下では以前にもましてフェイクニュースに引っ掛かってしまう脅威にさらされているのが現状です。

情報パンデミック=フェイクニュースに感染しないために
3つのポイントを意識して頂きたいと述べてまいりました。
その3つのポイントとは

  1. 何を書いていないかに着目する
  2. 事実を集めて事実から判断する
  3. SNSの特性を理解して鵜呑みにしない

この3つが大きなポイントになります。
特に人間には10の思い込み本能が備わっていることを
あらかじめ理解したうえで、事実を積み上げて判断してください。

情報は元来、有効に活用されるべきものです。
その情報に振り回されず、自分の財産とすることで
豊かなライフスタイルを築いて欲しいと切に願っています。

この文章を読んでいただいてありがとうございました。

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